せん妄

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2017年9月24日

次の日に父に会いに行くと顎には縫った跡があり、ほほには痛々しい傷。

親指は折れているのではないかと思うほど腫れていました。



父は昨日のことにはなにも触れず「おお~来たんか」と声をかけてくれました。


帰れなかったと言う思いは強かったと思います。

でもそのことに一言も触れない父。きっと、ずっとこらえていたんだと思います。


何よりも帰宅を楽しみにしていたのは父だったから。




昨日のバタバタした一日とは打って変わってとても静かな一日でした。


しかしまたここで悲しい出来事が。



父が手に針がささっとる!と言い始めます。



自分でとろうとするのですが、上手く取れないようで右手が空をつかみます。

そうです。幻覚が始まりました。


眉間にしわを寄せ何度も何度もつまんで取ろうとする動作。


私も一緒に取った真似をしてそっと左手を下ろしました。

グッと眉間にしわを寄せたものの、取れたよ。と言って手を見せないようにして手をつないでいると安心したのか眠りにつきました。

幻覚なんてほんまにあるんかいや?元気な時にはずっとこう言って、薬で中毒を起こし錯覚を見ている人をテレビで見るたびに、あんなん嘘やろ?と言っていた。


その父が、指に針がささって抜けないともがいている。



どうしたものか・・・




また看護師さんがいたのでこのような状態ですと伝えた。

せん妄ですね。と一言。


あぁ・・・癌は父の精神状態を混乱させるほどの厄介者でした。


体調も日に日に、というか、時間ごとに悪くなります。

吐き気、痛み、そしてせん妄。

今自分がどこにいるのか何をしているのか、何が現実で何が現実とは異なっているのか分かりません。


痛みが強く、痛み止めを要求します。

さっきいれたばっかりなのに・・・

あまりの苦しみに看護師さんがお医者さんに取り合ってくれましたがこれ以上の投与はできません。

時間も量もこの薬ではこれが限界ですと。

父は何をしているのか分からない状態です。

いつから苦しんでいるのかさえ。


こんな時に父がポツリと私に言いました。




殺してくれ・・・




どちらかと言えば母には辛さから強く当たり、私には弱みを見せるようになっていた父。

今まで頑張ってきた中で、しんどいと言うことはありましたがここまで重い言葉を言うことはありませんでした。

医者から聞いていた最後の薬。



ドルミカム。



点滴で行う苦痛緩和の鎮静剤。

今まで使っていたモルヒネとは違い強い薬と言ったらいいのかな?その薬の使用も頭によぎります。


でも、その薬を使ってしまえば最後、喋ることも食べることもできなくなります。


しかしこのまま見ていても・・・・もう父は十分頑張ったのではないか。


父が亡くなる日まで6日



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